本格的に寒くなってきた。しかも正月料理にもとっくに飽きてきている。するとこういう声が聞こえてくる。「ねえ、ジャガリコ買ってきて。あ、ミカンも。それにコーラも。お父さん!」 なぜだ。なぜ父がいかねばならぬ。。。理由は分かっている。年末年始の料理はほぼカミさんと娘で準備してきたのでそろそろ休みときだと。
というわけでダウンにマフラー、帽子をかぶってちょいと離れたスーパーまで散歩がてらにでかけた。半分ほど歩いたときに気が付いた。ジャガリコは何味を指定してたっけ? スマホで聞こうとしたら、ポケットに無い。忘れてきたのである。家に戻るには遠い距離だ。おお公衆電話をかければ良いではないか、と思い直した。
が、無いのである、公衆電話というものが。振り返れば最近は、公衆電話の存在など意識したことなど無い。クルマの多い通りに出ればあるのではと思い向かったが無い。郵便局なら、、無い。学校のそばなら、、無い。おおコンビニならどうだ。コンビーニエンス=便利、だろう。あるに違いない。二軒寄ったが、無い。
2011年東日本大震災の日、夕方、新橋から歩いて帰ることになったのだが、途中ところどころで電話ボックスに長蛇の列が。携帯がつながりにくく、公衆電話を多くの人が利用していたのだ。10年後の今日、公衆電話は見つからぬ。結局あてずっぽうでジャガリコを買った。幸い味は当たっていたが、日をあらためて近所の公衆電話の場所を確認しておこうと誓うのであった。