フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

禅語で確認

心配事の9割は起こらない―――減らす、手放す、忘れる「禅の教え」 三笠書房 電子書籍

 無宗教である。が、宗教に興味はある。ここにきて複数のお坊さんと友人になれ、いろいろと刺激をもらっている。最近読んだ本が、枡野俊明氏の「心配事の9割は起こらない」だ。いかにも出版社がマーケティングのためにつけたような題名であるが、中身はシンプル。さまざまな禅語の教えを、日常生活に応用するヒントを解説してる。難しいところはなく、とても読みやすい良書であった。

 

なかで紹介される禅語がいずれもカッコイイ。そんなこと言ってると真剣に宗教の道を歩まれている方に怒られそうだが、素人が知識としてかじっているだけなのでご容赦を。まずは、「脚下照顧」。他ではなく、まずは自分の足元=本性をよく見よ。まわりに振り回されすぎるなということだろうか。漢字一つ一つの意味がイメージできるので、4つ組み合わさると強く印象に残る。

 

そして「喫茶喫飯」。余計なことは考えず、お茶をいただくときはお茶を飲むことだけに集中して、ご飯をいただくときはご飯をいただくことに集中せよと。当たり前のことだけれど、なかなかできないな。「いま」「ここ」だけに集中することか。口に出してみると、音のリズムが気持ちいい。キッサ、キッパン。字面もユーモラスだ。昔のお坊さんが、覚えやすいように開発したのかな。

 

最後は「冷暖自知」。器に入っている水は、見ているだけでは「冷たい」のか「暖かい」のかはわからない。実際に自分で飲んでみる以外に「冷暖」を知る方法はないのだと。あれこれ考えるより、行動が大事と言っているのだそうだ。多くの時間をネット検索だけで生きているのような最近を戒めてくれる。いずれの言葉も、「自分」「いま」「ここ」を再認識させるのに便利なキーワード。もっともっと知りたいと思う。