フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

待つ価値

HARIO (ハリオ) コールドブリュー コーヒージャグ 水出し CBS-10HSV

蒸し暑い季節、今年もこいつの出番がやってきた。水出しコーヒーボトルだ。作るのは簡単。寝る前にコーヒーの粉と水を入れて、一晩待つ。するとあら不思議、でもないけれど、しっかり水出しコーヒーができている。なんの技量も経験も要らない。必要なのは待つことだけ。この「待つ」ことで、おしいしいものができるシステムに最近とても惹かれるのはなぜだろう。これも老化のひとつかな(笑)。

 

カミさんが発酵にハマっている。こちらも「待つ」のが仕事だ。発酵玉ねぎは最近、我が家の食卓に欠かせない。魚やラム肉なども、麹で発酵させるとうま味が増す。梅干し、ぬか漬け、などなど。自然と時間は人にはできない繊細な仕事をしてくれる。人間にできるのは「待つ」こと、「我慢する」ことくらい。年を喰うと、ここらへんが得意になるのはいいことだと思う。

 

宅急便、明日来なくても大丈夫。青信号、点滅したら次でいい。図書館の本、順番待ち100人以上、遅れてくる方がありがたみアップ。でもデジタル時代は、待たせない。手紙と違って、メールは瞬時にやってくる。オールウエイズONというわけだ。待たないから、効率的。チャンスは絶対逃さない、ということ。ところが自然はそうはうまく回らない。種を撒いたら、待たないと芽は出ない、葉は広がらない。

 

梅雨も早く開けてほしいが、人間の思いと裏腹に、日本各地でひどい豪雨をもたらしている。こればかりは待つのは苦しい。待つというより耐える、ということか。郷里の九州はまだその最中にある。どうか、被害がこれ以上拡がりませんように。僕らにできるのは、時節が移り変わることを待つことしかできないのがもどかしいが、それでも、待てば次がくる。そう信じたい。今夜も、コーヒーを仕込むとしよう。