フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

オリエンって何だ?

心をつかむオリエンテーション (はじめよう学校図書館 11)

この春より某企業から業務委託を受け、広告業務管理をすることになった。つまり広告発注者側に立って仕事をすることになったのだ。これまで30年以上、受注者として広告づくりをしてきたわけで、まさか自分が相手側の仕事をするなんて夢にも思っていなかった。企業の課題を解決する広告を、外部の広告会社とともに作っていく、と考えれば同じものづくりとも言えるのだが、まだ不思議な感覚だ。

 

わけても新鮮だったのがオリエンだった。広告会社に仕事を発注する最初の会議のことである。これまで何度もその場に出席してきたが、今回は立場が違った。広告マンだったときは、どんな課題なのか、どこにクリエーティブのヒントがあるのか、半分ワクワク、半分真剣に聞き入っていたはずだ。とにかく、いい広告を作るために耳を澄ませていたわけだ。と、いう思いがあるからこそ今回は緊張した。

 

僕はオリエンを聞きに行って緊張した覚えはない。新しい課題を提示されるということに興味津々であるからだ。クリエイターは皆そうではなかろうか。ところがオリエンする立場になって初めて、その好奇心、クリエーティブマインドの熱に気付かされるのだ。こりゃいい加減なオリエンはできないぞと。いい加減な準備はしていないつもりでも、もっともっと深いオリエンができたのではないかと。

 

正直に言う。ずっと「得意先はいいよなあ。難しい課題をポンと渡して、あとは上がりを待ってりゃいいんだからさ」なんてことを薄っすら思ってた。が、決定的に違うんだと理解した。オリエンする方も相当大変だ。自社のブランディングや販売を先導する広告を、自分たちのオリエンが左右する。そう考えると汗が出てくる。知らずに終わりそうだったあちら側、いやはやスリリングである。