フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

雑談力

雑談力が上がる話し方――30秒でうちとける会話のルール

雑談は好きだが、得意というわけではない。特に初めての人といきなり雑談するのはやはりハードルが高い。上記の本は30秒でうちとけるとあるが本当だろうか。信じられない。ただ、仲間内との雑談は大好きだし、得意かもしれない。コロナ禍で広まったリモートでの社内打ち合わせや大学のゼミ形式の講義などは、一年ほどたったいま皆慣れてはきたものの、今一つ足りないものが「雑談」だという新聞記事を読んだ。

 

落語で言えば「枕」、ワークショップデザインで言えば「アイスブレイク」ということか。僕が現役の頃は、アイデア会議のはじめにする雑談が一番楽しみであった。ここで盛り上がって、なかなかメインのアイデア出しに至らないこと数多く。それで夜なべしたこともバブル期の良い思い出だ。いったん置いといて、ということなのだが不真面目と言えば不真面目。ゆとりと言えばゆとり、とも言える。

 

ずっとやってきた広告のアイデアづくりなどは、つねに思いもかけぬアイデアを出さねばならぬ苦行だ。であるので実は生真面目に眉間に皺を寄せて考えれば出るものでもない。少人数のメンバーでアイデアの断片を持ち寄り、それを笑いながら転がすうちにひょんなことをきっかけに新アイデアが生まれたりする。雑談は、その転がしをするのに最適な行為なのだと思う。ああ言えばこう言う、で転がすのだ。

 

うまい落語家は枕が見事だ。ちょいと偶然、街角で会ったときに交わす今日の話題、といった自然な雰囲気で入ってきて、なるほどそうだねと笑って頷いているうちに本題に橋渡し。本題に入ったときの脳内はすっかり笑いのコンディションになっている。リモートでの会議にこれらの技をうまく組み込めることは可能だろうか? AIが時事ネタを3分ほどの小噺にして話してくれるアプリとか、無理かなあ(笑)。