フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

丁度可知差異

コカ・コーラ ジョージア エメラルドマウンテン コーヒー 185ml缶×30本

大学院の講義に芸術心理学というものがあり、これはこれで大変面白い講義である。言葉どおり、芸術や表現にまつわる心理学について幅広く学んでいくものだ。最近の講義で興味深かったのは、バーラインさんという先生の「ヘドニック理論」というもの。私たちが心地いいと思うものはどういうものか、を解説する。結論だけ言うと、平凡なものも、複雑怪奇なものも、両極は心地よくないということだ。

 

つまり「ほどほど」がよろしいのだと。あくまで多くの人にとっての心地よさであるので、先進の人は複雑怪奇なものを愛して問題なしだ。ただ多くの人にとっては「ほどほど」が受け入れられるという結果である。これ、難しい尺度だ。ほどほど、って数字に置き換えられない。広告アイデアで言えば、尖ったアイデアを上手に受け入れやすく定着させるってことで、プロの仕事である。

 

ここで思い出した言葉がある。精神物理学用語の「丁度可知差異」だ。これ、ブラディングで用いられることが多く、一旦成功したブランドの鮮度を長期に渡り保持するために、最低限の変更を施していくことを言う。例えば缶コーヒー、発売以来、定期的にパッケージに少しずつ手を入れていることにお気づきだろうか。基本のアイデンティは守りながら、ほんのちょっとだけ変えているのだ。

 

この、ほんのちょっとのリニューアルが大変難しい。車のモデルチェンジも同様。最近では4代目プリウスがそれだ。急に鬼のようなドヤ顔になって、売れ行きを落としてしまった。2代目から3代目は絶妙に丁度可知差異を施し、売れ行きを伸ばしていたのに、、。ただし、全てあくまで成功したものの維持についてであるので、まずは成功が必要なのは言うまでもない。ほどほどを目指せ、ってことではありまへんで(笑)。