フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

進化って効率化?

テレビ・コマーシャルの考古学―昭和30年代のメディアと文化―

大学院の講義で、テレビコマーシャルの創成期から遡って鑑賞し、教授と意見を交わす授業があり、これがとても楽しみである。日本で最初のテレビコマーシャルは昭和28年(1953年)に放送された。そこから2000年くらいまでのベストCMと呼ばれるものを順繰りに見ていく。今日の時点で1980年まで来た。

 

当初はもちろん白黒で、アニメのものが多いのだが、高度成長期を経て70年代に入ると、俄然クオリティが上がってくる。世界のCMフェスティバルで金賞を取るものがどんどん出てくる。今見てもうっとりするほど美しかったり。。。ここらへんで出てくる疑問。最新技術満載の現代、なぜ映像美でうならせるCMが減ったのか?

 

70年代、80年代のCMには、いまのような最新のCGは使用されていない。撮影はフイルムだし、編集は切り貼りだ。マックも無ければ、アドビも存在しない。昔は良かった、は年寄りのたわごとだと基本的に僕も思う。が、CMについて言うと、残念ながら客観的に見て「昔は良かった」である。映像自体の美しさが違うのだ。。。

 

今日あらためて見たミノルタX7の宮崎美子は圧倒的に美しかった。もちろんカメラマンの技術が良いのだが、それ以前にフィルムの絵が美しい。90年代に入り、撮影素材はフィルムからビデオに移行していく。間違いなく技術は進化しているのだが、アウトプットの質は逆行へ。進化って、、、。教授と僕は、ため息をつく。