フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

アイデアはどこにある

アイデアのつくり方

広告制作の仕事を始めたころ、先輩から勧められた本だ。正直その頃はあまりピンとこなかった。「イデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外のなにものでもない。また、新しいアイデアを創り出す才能は、物事の関連性を見つけ出す才能によって高められ、この能力は後天的に身につけることができる」 まあ、駆け出しのころは経験値が圧倒的に少なくて、この基本の考え方を実感する余裕などなかったのである。

 

ところが人間、30歳ころになると一通り経験を積み、やっと少しだけ客観的になれる。少なくとも僕はそうだった。そうか、あれはこういうことだったのか、とやっと気づく。広告づくりはアイデアの編集であり、既存のネタを組み合わせてネタ以上の面白さを生み出すこと、と実感した。実はここらへん、大学院の講義で、アイデアのつくり方について久しぶりに話が出たので思い出したのである。

 

講義を受けた時に、30代の頃気づいたもう一つの視点を思い出した。アイデアの組み合わせで新しいものが生まれる、は納得。僕はそこから一歩踏み込んで、世の中のすべての事象はアイデアになる、と定義した。なんと生意気な。。。だが、30代と言えば上司は全員ダサく見えているとき。アイデア華厳の滝のごとく生れ出る、と勝手に勘違いし、実際アイデアを出しまくった時期だ。

 

電車のなか、街のなか、会社のなか、次々起きる日常のドラマが、すべてアイデアになる、という大いなる錯覚に大興奮したのを覚えている。その頃よく畑の違う業界の友人に「アイデアが出ないときとかないの? 不安にならないの?」と聞かれた。しかしそんな時は、「大丈夫。世の中すべてがアイデアになる」と答えていた(笑)。アホである。しかしそれを信じられるアホだけが続けられる仕事でもあった。もちろんいまでも信じている。世の中のすべては、アイデアなのだ。