フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

表現を受け取るのは「相手」

新装版「分かりやすい表現」の技術 意図を正しく伝えるための16のルール

景観広告の学習のため、参考資料として「分かりやすい表現の技術」を読んだ。街中における様々なサインや標識、案内板。多くの製品説明書やマニュアル、パンフレットなどなど。初めて触れる人すべてに分かってもらうための表現が、いかに分かりにくくなっているかを実例を上げながら解説されている。ここではクリエーティブな表現というより、実用的な表現についての指摘だ。

 

表紙に出ている青い道路標識は代表例。横浜へ行くには、このまま直進か、それとも左折か? 横浜の文字の位置が中途半端なために、取りようによってはどちらにも受け取れてしまう。特に道路の場合、運転中での判断を伴うため、瞬時に理解し判断せねばならない状況だ。たとえ限りあるスペースの中に上手に情報要素を収めたとしても、誤解を与える可能性がある場合は×であろう。

 

筆者はこのような事例に対し、実際に改定案を出して「分かりやすさ」のコツを伝授していく。興味のある方は本書をご参考あれ。その基本は、「相手目線」だ。相手とは、提示する情報の知識を持たず初めて接する人のことである。これ、すべての仕事に通じる基本ではなかろうか。相手は自分とは違う。自分と同じ情報や意見を持っているわけではなく、まっさらな立場であり、それを尊重すべきと。

 

相手を思い、想像し、相手に役に立つアイデアを提示すること。ビジネスでも、人づきあいでも大切なことであろう。この「相手を思う」ことが、やや軽んじられている時代になっている気がする。自己責任、という言葉があまりに幅を利かせてしまうと、表現は一方的で寂しいものになりかねない。逆に思ってくれてると感じたときは効果倍増だ。これはテクニックと言うより、心の持ち方だろう。自戒を込めまくる。