フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

スイカで考えた


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セミは鳴かぬが、スイカは待てぬ。というわけで、愛知の義父より無農薬スイカが届いた。今年は長雨で収穫は少なかったとのこと。わずかな実りから送ってもらってありがたいことだ。電話で礼を伝えると、今年は作物の花弁が変だと言う。ナスやキュウリの花弁で、めしべが出ないものが多かったそうだ。つまり受粉できず、実ができないということになる。不思議に思った義父が、地域の農家に尋ねると他もそうだったと。

 

なんとも不気味だ。コロナとは関係は無いけれども、地球環境はどんどん悪い方向に向かっているのかもしれない。テレビなどでおなじみの昆虫学者・池田清彦先生が言っていた。生産性、生産性と言うけれど、本当の生産性は食物を生産することではないか、と。生きていくうえで基本となる食料が作れなくなったら、人類はおしまいだ。大げさな話かもしれないが、まんざら大袈裟でもない気もする。

 

ステイホームの最中、ベランダで育てたバジルは大きく育ち、バジルパスタにして食べた。些細なことだが、土に回帰する人が少しずつ増えているそうだ。以前は、リタイア後、中高年の暇つぶしとしての土いじりが通例だった。いまは年齢に関係なく、関心が集まっている。そして東京一極化への疑問もふくらんだ。一旦見捨てられた郊外の町があらためて注目を集めている。

 

義父のスイカは市場には出さない。なので形はけして良くはない。しかし味は素晴らしい。本当は真夏の青空のなか、冷やして食べたいのだが、今年は残念ながら薄暗い日中に食べることにした。農作物づくりは、最後は自然が頼りだ。人間ではどうにもできない部分がある。不順な天候の中、多くの農家は頭を抱えて「生産性」に取り組んでいることだろう。いつにも増して「いただきます」と頭を下げる思いだ。