フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

MDという名のオブジェ

ソニー ミニディスク (80分、1枚パック) MDW80T

12/3の朝日新聞電子版、「さよならMD」という記事が面白かった。ティアックが製造していたMDデッキが昨年末で製造中止になったというのだ。記事によれば、MD誕生が1991年。iPod誕生が2001年。iPhone誕生が2007年とある。見事に音楽メディアがモノからデータへ移行し、リードする企業もSONYからAppleへと移り変わったわけだ。日本の優秀なAV技術のアンカーであったともいえる。

 

実は僕、MDラジカセをまだ持っている。仕事で使うために20年くらい前に買ったのだが、壊れていないのだ。これがなかなか優れもので、MDの録音再生、カセットの録音再生、CDの再生、ラジオの受信が可能。MDが出たときは、究極のメディアが出たな、と感動したのを覚えている。それまではカセットテープであったので、テープの劣化が心配だったのだ。サイズもほどよく、長く使えると信じていた。

 

が、iPodですべてが変わった。カセットも、レコードも、MDも一旦ふっとんだ。モノとしての音楽メディアを「所有」すること自体が一瞬にして、とてもダサいことに思えたのである。当時、それらのほとんどを全部データ化して、iPodやHDDに収録したとき、とてつもない断捨離感を得た記憶がある。あれほど便利に思えていたMDも、形があるだけで化石のように思えたのだから不思議だ。

 

ところがさらに時を経て2021年。レコードはCDの売り上げを抜いているとのニュースを聞いた。カセットテープやラジカセの専門店も人気だという。80年代ブームの影響もあり、アナログの柔らかなサウンドが逆に新鮮とウケているのだ。残念ながら、MDはこの波に乗れていない。アナログとデジタルの中間の立ち位置に需要が無いのだろう。中途半端はモテない時代か。僕のラジカセもオブジェのままだ。。。