フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

フュージョン勉強会その8

スペクトラム<FUSION 1000>

これまでちゃんと聴いてなくてすまん、コブハム。何つうか、ドラマーってサブでは聴くんだけどメインで聴くってしてこなかった。もちろんビリー・コブハムの名は何度も耳にしていたけれど、きちんとフルで聴いたのは今日が初めてだ。すんごいですね、参りましたわ。この「圧」。そして「彩」。

 

フュージョン誕生寸前の73年の本アルバムは、言わばブログレシブ・ジャズ・ロックといった感じか。カテゴリーはどうでもいいだろう、というのがフュージョンという言葉に落ち着いたと、このアルバムで理解できる。コブハムのスリリングなドラムに、後にディープ・パープルに加入するトミー・ボーリンのギターが執拗にからみつく。どちらも超絶速いから、織りなすサウンドの圧と彩が半端ない。

 

J・ハマーのシンセもいま聴くとオシャレやなあ。深みがあるのだ。その宇宙に、切り込んでいくコブハムのドラムが小気味よい。タイトル曲の「spectrum」。管楽器が立っていて、しっかりフュージョンだ。とても73年のアルバムとは思えない。管が全面に出て、シンセとドラムが盤石の下支えをしている。耐震構造ばっちりの高層ビルのような立ち姿に惚れ惚れする。

 

ドラマーというと、「圧」だけを見せるプレイヤーが多い。速いだろ、強いだろ、終わらないだろ、とね。そこがどうも食指が伸びない原因だったが、このアルバムは違っていた。「圧」にも増して「彩」がすごいのだ。こういうプレイヤーがコンポーザーになれるのだろう。仕事で言えばクリエイティブ・ディレクターだ。オンリーワンの「彩」。そこを目指すことの大事さをコブハムから学んだな。