フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

フュージョン勉強会その15

ラヴ・アイランド<FUSION 1000>

疲れてしまってどうしようもないときに聴くアルバムって何だろうか? 僕にはこのデオダードの「Love Island」がその一つかもしれない。デオダードと言えば、「Prelude」があまりに有名で、僕も大好きではあるが、まったりとした癒し感は、このアルバムの方が満ちている。プロデューサーはあのトミー・リピューマで、LA録音されている。ラリー・カールトンのギターも心地よろしい。

 

ジャケットを見てほしい。このジャケットはかなりヤバいと思う。僕は海外のカジノが好きで、ロケ撮影などのオフの時間によく遊びに行った。と言っても、大金をかける遊びは一切せず、小銭で遊べるスロット専門だ。このジャケットの花は、スロットの駒の絵の悪魔性に近いものを感じる。要は中毒を引き起こす絵柄なのだ。スロットは、程よく勝たせて、たっぷり負けさせる。そして中毒にする。

 

三つの絵柄が揃うと、コインが出てくる訳だが、絵柄が揃ったときに中毒化させる動きを伴う。例えば花であれば、ゆっくり開花する。芸者であれば、ゆっくり振り返る。それを見たプレイヤーの脳からは一気にドーパミンが放出する。このジャケットの花を見た瞬間、僕はドーパミンが出た(笑)。あきらかに確信犯的に聴く人を中毒に引きずり込もうとする悪魔性を感じたのだ。そして聴くと、やはり中毒になった。

 

大変リラックスした、ザ・フュージョンがアルバムを通してひたすら繰り広げられる。実に単調である。引いては寄せるさざ波のごとく。自律神経は完全に副交感神経が優位になっているだろう。5曲目の「Love Island」まで来ると、もはや俗世を放棄するしかなかろう。メロウな音の海に漂うばかりなり。最後は「Take The A Train」と来る。波打ち際を滑り出す、西海岸列車に身を投げ出して眠りにつこう。