フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

言葉とずっと向き合おう

なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。

尊敬する大先輩の本である。本来なら即、Amazonなり楽天なりでポチるべきであるが、ドケチの僕は図書館に予約した。すいません、先輩。図書館に入って即、予約したけれど、さすが良書、最近になってやっと僕の番が来た。名コピーライターが書いた、言葉によるコミュニケーションの虎の巻だ。コピーの本はこれまでもあったが、いろんな意味でこれまでの本とは異なる。

 

それは、コピーの本である以上にコミュニケーションの本であるからだ。したがって筆者も公言するように、広告マン以外の一般の人たちが読んでも役に立つように書かれている。どんな人も言葉によるコミュニケーションは必要だ。この本ではコピーの作り方、コピーの種類、コピーの事例、などを通して、「より良き伝わり方」を伝授してくれる。読めばなるほど確かに言葉しだいだと思えるだろう。

 

幸運にも、僕は筆者といくつか仕事をさせてもらったが、彼のような秀逸なコピーは書けなかった。ただ、彼の考えるコピーの考え方には共感でき、僭越ながら同じ目線を感じていた。コピーはインフォメーションではなく、イマジネーションでもなく、コミュニケーションであると。相手の心にまで届き、相手を何かしら動かす力が必要なのだと。この本であらためてそのベクトルを確認できた。

 

本書で好きなパートがある。筆者の修業時代の80年代、コピーは原稿用紙に手書き。その手書き文字を上司からダメ出しされるエピソードだ。俗にいうコピーライター文字である。僕も上司から仕込まれた。丸っこい癖の強い字体。いまでは冗談と思われるかもしれないが、当時は必死で練習した。それは自分のコピーを価値あるものにしたい一心がゆえ。うん、言葉との真摯な向き合い、これからも大事にしていこう。