フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

好きを伝えること

ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた

尊敬する元上司の本。20年前、転職したてでオドオドする僕に沢山チャンスをくれた恩人でもある。SF作家でありながら、クリエーティブディレクターでもある。70~80年代、東京海上のビリヤードCMや、ジョージ・ルーカスを起用したPanasonicのCMなど名作をたくさん生み出した広告界の巨匠だ。

 

僕が覚えている彼の口癖は「いいじゃん」だった。もちろん、そう簡単には出てこないセリフだが、必死で考えたアイデアには多少ぎこちないアイデアにも「いいじゃん。やってみなよ」と言ってくれた。多くは語らず、いいじゃんだけ。この言葉に何度背中を押されたことか。

 

なかでも好きなことをとことん真剣にやる姿勢を教えられた。逆にそれ以外は捨て置いてもいい、くらいの気迫も学んだ。好きなことをやる。言葉にすると簡単だが、これほど難しいものはない。世間が、常識が、得意先が、それを許さないことが多いからだ。好きを突き進めることは、勇気がいることだ。

 

今回の本は鏡さんが好きで好きでたまらない、そして滅茶苦茶多くのことを学んだ雑誌「マンハント」について書いている。というか書きまくっている。好きで仕方がないから、書くことに困らない。困らないどころか止められない。それが伝わってくる。僕も「好き」を伝えること、突き詰めること、やらなくちゃ。そう決意させられる一冊であった。