1月から施設に入居した母にガラケーを持たせた。かんたん携帯という機能を絞り込んだ機種だ。よくかける番号3つをワンボタンでかけられるので、母も当初は喜んでいた。が、結果から言うとガラケーも使いこなせなかったのだ。89歳の母は、これまで固定電話だけで過ごしてきただけに、どうしても操作が難しいらしい。
まずはボタンが小さいという。そして置いた場所を忘れてしまうともいう。そしてバイブレーションは怖いという。昭和一桁生まれの母にガラケーとはいえ、渡した自分が甘かったのだ。そこで固定電話に戻すことを考えねばならなくなった。母の唯一の楽しみは九州在住の3人の妹と電話で話すことだからだ。
調べてみると、NTTの固定電話を新たに設置するのってかなり面倒で、しかもけっこう費用がかる。そして月の基本料金も通話料もめっちゃ高い。なるだけ母の経費を下げてあげたいので、何か別の方策はないか、ネットで探しまくることに。で、発見したのだ。写真の電話機を。一見、普通の固定電話に見えるが、ちょっと違う。
この電話、シムカードを刺せるのだ。つまり携帯電話のシムを刺すことで、通信は携帯通信網、受話器は固定電話機となる。コストも格安キャリアのIP電話を選べば大幅に下げられる。もちろん無線なので置き場所も自由だ。こういう仕組みは母には言わない。普通に固定電話として使ってもらう。やっと出会えた孝行電話だ。
