ただの電話が見つからない

89歳の母の話がつづく。突如、老人ホーム入居が決まった母。生活の様々なことが変更となる。その一つが電話だ。九州出身の母の楽しみのひとつが、九州に住む3人の妹との電話だ。これまでは固定電話だった。しかし車椅子生活となったいま、母の方から携帯に変えたいと言い出した。受話器まで向かうことが大変なのだ。

しかし御多分にもれず、ITなどまったく理解できぬ母。スマホなど渡しても操作は無理だろう。調べてみると、キャリアはシニアにもスマホを勧めてくる。らくらくスマホなど、シンプルで大きなアイコンのスマホもあった。が、無駄が多い。高齢者にメールは要らない。ラインも要らない。カメラも要らんのだ。

余計なアイコンが多いと、一番肝心な電話をかけるのが難関となる。電話だけのスマホを作ってほしいが、無理だろう。となるとガラケーとなる。いろいろ調べてソフトバンクの「かんたん携帯10」にした。決め手は良くかける相手の名前を液晶画面に出せる機能だ。これはdocomoもauも無い。名前が出る、これだ。

電話料金もデータ通信を契約せず、通話のみすれば話し放題で月3千円くらいだ。いやはや、ソフトバンクありがとう。高齢者は、ただ電話するだけの携帯が欲しいのだ。願わくは、スマホで電話のみの単機能のものを作ってくれまいか。大きな画面に大きなボタン。よくかける相手の名前が並ぶだけ。孫さん、お願いします。