フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

レモンの意味を知れ

檸檬堂 定番レモン 缶 [ チューハイ 350ml×24本 ]

大学院の広告作品研究の講義で、1950年代のフォルクスワーゲンの雑誌広告について学んだ。あのビートルをアメリカでヒットさせた有名なグラフィック広告のシリーズだ。BBDという代理店が制作した一連の広告は、いまでも広告マンが手本にする名作中の名作である。僕も大好きで、その中のひとつ「Think Small」は、フランス版の現物を蚤の市で買って、家に飾っているほどだ。

 

講義で話題になったのが「Lemon」だ。一見何も問題の無い一台のビートル。しかしキャッチコピーは「Lemon=欠陥品」なのだ。ボディコピーを読むと、ドイツでの最終点検で車体に小さな傷が見つかり、この車はアメリカに輸出されなかったとある。フォルクスワーゲン社の品質管理を訴える秀作広告だ。ここで、クラスメートの留学生から質問が出た。「なぜレモン=欠陥品ですか? 美味しいのに」

 

教授も僕も思わず笑ってしまったが、確かにこのスラングを知らなければ意味不明かもしれない。レモンは一見美しく美味しそうだが、何も知らずに齧ってしまうとその酸っぱさに面食らう。なので、外見はいいが、中身がまずい状態を意味するようになったらしい。あらためて言葉の面白さを味わった。が、ここで気になるレモンを思い出した。いま人気のレモン酎ハイだ。

 

毎朝、娘をバス停まで送り、その帰りに公園をウォーキングしているのだが、このところ路上にレモン酎ハイの空き缶をよく見かけるようになった。写真の商品をはじめ、レモン酎ハイはいま人気商品のようだ。それは結構なことだが、この酎ハイを歩きなながら飲んでいるカップルや集団も何度か見かけた。レモン自体に罪はない。が、マナーを守らないと、自身が「Lemon=欠陥品」と見なされるぞ、と思うのであった。