フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

フリクション・マジック

パイロット フリクションボール ノック 0.5mm ブラック LFBK-23EF-B

日本発の偉大な発明品はいろいろとありますが、21世紀に入ってからで言えば、フリクションボールはその中に入ってもいいのではないでしょうか。僕は仕事ではシャープペンシルを多用していたので、当初あまり必要性を感じていませんでした。が、一回使ってしまったらもう戻れません。消してもカスが出ないんですもの。

 

数年前、海外の広告賞の審査員を務めたことがあります。英語が達者でもないのに無理っすよと上司に訴えたのですが、「大丈夫。たかが審査なんだから、〇か✖かの二択だよ」と言われ引き受けました。ところがどっこい。審査員10人は、僕以外は全員西欧人で英語ベラベラ。審査は、まず投票。最終選考は全員で「議論」。マジかよ!でした。

 

初日の審査は、死に物狂いのジャパングリッシュでどうにか乗り切りましたが、困ったのが食事時間です。みんなそれぞれの近況を語ったり、ジョークで笑いあったり、英語コミュニケーション祭り。僕はもう押し黙って、ひらすら食べるのみ。。。このままでは変質者と間違われる。。。何とかせねば、と秘策を考えました。

 

審査最終日のランチタイム。食事も済んでコーヒータイムに。僕はおもむろにフリクションボールとノートを取り出し、皆に見せました。「ハイ、みんな。このペン見て」と言いながら、自分の名前、KENと大きく書きました。お、あの無口なKENが話し出したぞ、と皆が注目。「ほ~ら、どう?」と一気に消してみせると、みんなの目が冗談ではなく大きく見開かれたのです。「KEN、君は一体何をしたんだい?」

 

もう一気にテーブルのヒーローです。「私にも貸して。わお、マジで消えるわよ、このペン」「KEN、東京でしか買えないのかい?」等など。僕が発明したわけでもないのに、僕とペンを指しながら、チームリーダーが言いました。「まさにこれが、JAPANなんだよ!」と。え、僕も込みで評価してる? 一本のペンが危機を救った実話でした。