フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

フュージョン勉強会その9

ダンシング・イン・ユア・ヘッド

ああ幸せだ。この年になって初めてこのアルバムに出会えて。「dancing in your head」ってタイトルそのままに、聴き終わってもずっと頭のなかに音響がダンスし続けている。フュージョン前のカテゴリーで言えば、ジャズファンクだろうか。繰り返されるテーマが、自由自在に展開して楽しいったらありゃしない。

 

オーネット・コールマンといえば「ジャズ来るべきもの」くらいしか聴いていない。どちらかというと、ヘビーなフリージャズの印象で、とてもハーモニーやメロディなどと縁のないタイプと思っていた。このアルバムは、メロディ、リズム、ハーモニーが混然一体となって熱狂を生んでいる。踊らにゃ損、損なのだ。

 

マイルズの後期や、当時の菊池雅章と比較しても、引けを取らにない面白さがある。そう、前者との違いは「面白さ」だ。前者がひたすら求道的で、その発露にある時は納得し、ある時は首をかしげてしまうのに反し、このアルバムは頭の反応を必要としない。身体で素直に感じればいい。ダンスすればいいのだと思う。

 

ジャケットのだまし絵が、それを暗示している。上からでもいい。下からでもいい。解釈は不必要。楽しめばいいと、言っている。三曲目のモロッコの楽器との共演も、ヘンチクリンで笑ってしまう。ほんと、自由な人だったのだなあ、オーネットは。そして、不思議と彼の顔は思い出せないが、音は思い出せる。フュージョンは面白い。