やっとこの本の順番が廻ってきた。大好きなヨシタケシンスケの新作絵本だ。いや絵本ではないかもしれぬ。すべてのページが、左が条件、右が解答になっている。本の題が例だ。左が「あつかったら」で、右が「ぬげばいい」という構成。シンプルである。
絵本ではあるが簡単な哲学書かもしれぬ。人生は迷いばかり。その迷いに答える方策の一つが哲学だ。この本も、さまざまな悪条件を左頁に提示する。そして即座に(なんたって右ページだ)解答する。迷いはない。即答&断言だ。迷い直す隙を与えない。
そうなのだ。あまり考えすぎても、たいがい名案は浮かばないことが多い。考え、悩んでいるうちに貴重な人生を浪費している。迷わず答えを得られれば、人生はもっと広々していよう。この本は宗教的ではない。なので深くはないが、楽にはなれる。
考えてみれば、人生は常に決断を求められる。かつ丼か、親子丼か。カレー南蛮か、味噌煮込みうどんか。そんなとき、この絵本を思い出そう。きっと即決できるはずだ。かつ丼! カレー南蛮! ああ気持ちいい。迷いなく、軽やかに前に進もう。悩んだら、読めばいい。