フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

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走れメロス 太宰治短編集 (講談社青い鳥文庫)

毎日見るサイトに図書館サイトがある。僕の住む町では、最高15冊まで本を予約できる。なので、つねに15冊フルで予約を入れておくことにしている。人気のある本はなかなか回ってこないが、それはそれでいい。順繰りに回ってきたものを素直に読む。どんな本が来るかはランダムであるので、その偶然が楽しい。予約しきれない本はアマゾンのwishリストに登録しておく。買うわけではなく、読みたい本リストにしているのだ。

 

図書館とITの組み合わせほど画期的なものはない気がする。膨大な蔵本を、自宅で瞬時に調べられて、その場で予約できるのだから。税金以外、コストはかからない。しかも、本を借りるまでの順番まで把握できる。いよいよ順番が来て、自分の受け取り図書館ではない館の蔵本である場合は、その本がいまどこにあるかまで表示される。正確に言うと、順番が来たので本が移動を始めた、または移動中ということが分かるのだ。

 

僕はこの表示が好きだ。アマゾンや楽天で商品を購入したのなら、ときたま発送の道中が気になることもある。送料を払っていれば尚更だ。しかし図書館となると、本が入った、という通知だけでも充分にありがたい。それを、「あなたのご指名の本が今まさに、別の図書館を旅立ち、あなたの元へ向かっておりますよ」と言ってもらえるありがたさ。けなげとさえ感じる。走れメロスだ。

 

読みたい人へ、一刻も早く読んでほしいから、走る。これは使命だ。利益や効率ではない志なのだ。あまたある本の中から、選ばれし一冊の志。「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題ではないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしくて大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス」 今日も、僕の予約本は走るのを止めない。