フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

耳が痛気持ちいい

男の不作法 (幻冬舎新書)

内館さんのファンである。大学院に入ったのも、彼女の影響が大きい。年取ってからの進学に迷っていたころ、彼女の本「養老院より大学院」を読んで背中を押されたのだ。53歳の時、大相撲の歴史を学ぶために東北大学大学院に進学。仙台に居を移し、3年間勉学に打ち込んだときの記録であった。

 

この本が実に面白く、かつ示唆が多かった。そして何より彼女の執筆の軽妙さが気に入った。筆に迷いなく、テンポよく書かれていて、読み味爽快。愛とユーモアと正義いっぱい。すっかりお気に入り作家になってしまった。最近のベストセラー「終わった人」も、まさに自分の世代にどんぴしゃなテーマ。図書館に予約した。

 

今回はこれも話題の一冊「男の不作法」だ。めちゃくちゃ思い当たる不作法30個を一刀両断に切り分ける。もう読んでいると、恥ずかしいやら、笑ってしまうやら、焦ってしまうやら。世間の不作法オジサンの一人として反省しきりである。が、決して腹が立ったりはしない。ありがたい思いになる。

 

言ってくれなきゃ気づかないのだ、ほとんどのオジサンは。そして言ってもらっても聞こえぬふりをしちゃうのだ。内館さんの達筆だからこそ、ドキドキしながら読めるのだろう。マナー、プライド、思い出話、ダジャレ、蘊蓄、自慢などなど。ああ耳が痛い。というか少し気持ちもいい。反省しよう。反芻もしよう。これダジャレ?