長野の旅でいくつか獲物をゲットした。中でもこのミニカーはうれしかった。ロンドンタクシーとイエローキャブだ。かわいい。そしてこのミニカー、実は鉛筆削りでもある(笑)。車体の真下に削り穴があるのだ。もちろんMade in China。
僕はめったにタクシーは使わない。電車やバスが好きなこともあるが、どうしても贅沢に思えてしまうのだ。タクシーのことを考えると思い出すことがある。今から40年ほど前、九州から祖父が上京してきた。何よりも楽しみにしていたのは皇居の観光だった。
地理が分からぬ田舎者の祖父が東京駅の丸の内口を出るとタクシーに乗り、「皇居までお願いします」と言ったそうだ。運転手は黙って発進し、わざわざ大回りして目の前の皇居前に行ったらしい。駅から歩いても数分の距離を移動させられたわけで、ひどい運転手もいたものだ。
いまや悪質なドライバーは少ないと思うのだが、この時のことが少年期に刻み込まれてしまい、今でもどうもタクシーは苦手だ。ただし、タクシーのフォルムは好き。特に海外のタクシー。最近見かける新型タクシーもすごく好みだ。でも乗らなくていい。手のひらに載せて、眺めれば十分なんだ。