フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

マッチを集めていた

広告マッチラベル 大正 昭和 上方文庫コレクション (紫紅社文庫)

デザイン史の講義を取っているが、順番で回ってくる発表が楽しみである。デザインに関するものであれば何を発表してもいい。できれば他の人が持ってこないであろうものや、知らないであろうものが望ましいと。これまで2回ほどやったけれど、自分の仕事周りの発表をしてきた。そろそろ仕事以外の発表をせねばならない。さて、どうするか。迷ったうえで、次回はマッチ箱についてと決めた。

 

いまやマッチはどこにも見当たらない。喫煙者も減ったうえに、電子タバコなんてものまで出てきたせいである。昔は喫茶店やレストランに入れば、必ず店のオリジナルマッチがあったものだ。僕は大学入学と同時に、吉祥寺に住んだ。結局28歳まで10年住んだことになる。この街は、喫茶店だらけの街だった。しかも洒落た店が多かったのだ。したがってアーティスティックなマッチも沢山手に入った。

 

僕は生まれてこの方、非喫煙者である。というか嫌煙家でもある。しかしマッチが好きなのだ。あの可愛らしいサイズに、店の個性を凝縮したデザインがたまらない。そして、様々な店を訪れた証拠として収集していたところもある。1980年当時、ぴあやアングルといった東京街歩き雑誌が全盛であった。ネットもスマホも無い時代であったので、雑誌が最新情報を得られるメディアだったのだ。

 

いまでも持っているが、アングルの東京ガイドは田舎から上京した学生にとってバイブルであった。その中の吉祥寺のページには書き込みがいっぱいだ。目ぼしい喫茶店を順番に巡っては印をつけていた。もちろんマッチを持って帰る。そんな青春時代の置き土産が、捨てられずに空箱いっぱいに残っている。次回の発表は、その中から選りすぐりのオシャレなマッチをプレゼンしよう。教授は何て言うだろう(笑)。