フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

フィンランドの武器

フィンランド公共図書館: 躍進の秘密

学生になるに当たり、これまで以上に図書館とのつきあいが増えそうだ。元々図書館が好きで、海外に仕事や旅行で言っても、行き先の街の公共図書館大学図書館を見学していた。欧米の図書館は何と言っても規模の大きなものが多く、見ごたえがあるのだ。何よりも図書館の位置づけからして地域の上位にあるのを感じる。この本ではフィンランドを例に、図書館の可能性を具体的に紹介している。

 

フィンランドには残念ながら行ったことがなく、近い将来是非訪れたい国の筆頭だ。昨今、その良質な教育システムやライフスタイルが注目されているが、たまたま書評でこの本があることを知り、読んでみることにした。もう装丁の写真からして居心地の良さが伝わってくるのだ。ゆとりあるオープンなスペース。自然をたっぷり配置した屋内。美しくシンプルなサインデザイン

 

フィンランドの全人口は、東京都の人口の半分以下の550万人ほど。ご存じのように森と湖に恵まれた自然の美しい国である。冬の時間が長いので、図書館を利用する機会も多いようだ。そのためか、図書館の施設やサービスもとても充実しているらしい。学校図書館というものはなく、学生も市民もすべて街の公共図書館を利用する。図書館を積極的に活用することで、国民全体のレベルを上げる様々な施策がとられている。

 

この本ではフィンランドの様々な図書館をレポートしているのだが、総じて言えるのは、国が図書館を「第2のリビング」にするというコンセプトで推進している点だ。スターバックスのサードプレイスのようだが、もっと開かれていて、発展的。地域の人々とのワークショップの場、子どもたちの学びの場、文化の発信の場などなど。静かに本を読む場、だけではない。フィンランドにとって公共図書館は、国民全体を活性化する武器だと感じた。羨ましいな。