フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

寅さん再会

男はつらいよ HDリマスター版(第1作)

夏休みの宿題をこなす日々で、肝心の論文の方になかなか手が回らず少々焦り気味である。大きな宿題はあと一つ、というところまで来たので、九月はしっかり論文に集中するぞ。と、こんなところで宣言してどうする。さて、宿題のなかで日本の喜劇映画を見る、というのがあり、いよいよ山田洋次監督作品がきた。

 

ご存じ、「男はつらいよ」である。僕くらいの年齢になると、寅さんシリーズのどれかは見たことあるのだが、はっきりと覚えてはいない。今回は、その記念すべき第一作を見ることになった。制作年は1969年で万博の前年。高度成長期真っ盛りのころだ。この映画、実は前年にテレビドラマだったものを映画にしたらしい。

 

ドラマ終了後、あまりにも継続の声が高まり、であれば映画にしてみるか、と一本だけ制作することになったのだそうだ。ところが公開するや記録的な大ヒットとなり、シリーズ化につながったと。そんな歴史を踏まえながら見始めたが、見るシーンすべてが懐かしくて心地よい安心感にいきなり包まれた。

 

寅さんも、さくらも、おばさん、おやっさん、御前様、たこ社長、みんな顔なじみ感いっぱい。サザエさん一家が年を取らないのと同じだ。当たり前だが、どのシーンも三密で、何だかうらやましくなる。寅さんの飛沫飛びまくりの叩き売りにはうっとりするし、志村喬の挨拶シーンには涙止まらず。第一作にすべてが集約されているなあ。