フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

縄文にそそられる

最強の縄文型ビジネス イノベーションを生み出す4つの原則

ビジネス書は日本人よりアメリカ人の方が書くのがうまい気がする。やはりプレゼン慣れしているせいか、一番押し出したい新コンセプトを短くインパクトを持って題名に持ってくる。そのネーミングが上手なのだ。もう題名だけで勝負あり。その点、日本のビジネス書でグッと来る題名は少ない。そんななか、この本の題には久々にグッときた。縄文??? つかみはOK。

 

縄文時代弥生時代の、縄文だ。最近、娘につきあって日本史を学びだしているのだが、縄文時代についてはほぼスルーしていた。稲作前の狩猟時代、と大雑把に把握して良しと。が、著者曰く、縄文時代は紀元前1.5万年前から紀元前1000年くらいまでの約1万年にわたる長い時代であって、たかだか3000年程度の弥生から現代までの歴史の何倍もの蓄積があるのだと。

 

縄文時代は、ムラとその周囲のハラを同時に活用して生活していたらしい。基本は狩猟と採集で、四季折々、出会いと縁で収穫を得ていた自由社会。弥生時代は、稲作が導入され、計画経済に。米を中心とする管理社会だ。著者は、現代の会社組織の基本を弥生時代に見立て、これからの不確実な時代にイノベーションを生むために、縄文型のビジネスをを推奨する。

 

縄文型の基本は4つだ。①事業計画を手放す②他社との競争から脱却する③コンプライアンス偏重を見直す④リターンへの期待をやめる 具体的には、①ビジネスモデルを持って直感で動く②全てのステークホルダーと協業する③既成概念にとらわれず新しい価値を創造する④ご縁とともにビジネスを紡ぐ これらに完全に舵を切るのではなく、弥生型とうまく織り交ぜるべしと。

 

これ、フリーランスの方が応用できそうだ。縁と運と勘をフル動員して。しかし1万年の縄文時代自体への歴史的興味もめっちゃ湧いた。いま週刊モーニングで連載中のマンガ、望郷太郎が旅する500年後の世界は、本書でいう弥生時代にあたるかも。狩猟から耕作の時代となり、水や田畑の奪い合いから権力争いが始まる流れ。そう考えると、縄文時代はある意味、最後のパラダイスだったのか。興味が尽きない。