フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

ビニール傘漂流記

弘懋 TANPOPO 65cmグラスファイバービニール傘滑り止め(ジャンプ)黒 60317

傘の物としての価値はここ数十年でずいぶんと下がった気がする。ビニール傘のせいだ。数百円で買えるため、無くしたり、忘れたりしても惜しくない。なので名前を書いたりもしない。会社の傘立てには無数のビニール傘が刺してあるが、どれが誰のか分からない。

 

なので、適当に傘立てから抜いて帰ることになり、ビニール傘はぐるぐると世間を漂流することになる。出先で雨に降られ、「これ使ってください」とビニール傘を渡されることもある。そのもらった帰った傘を、電車に忘れてきたりする。その傘はまた見知らぬ誰かの傘になり。。。

 

よく台風などが来て風の強かった日の明くる朝、駅のそばなどに骨の折れたビニール傘の残骸を見かける。「お疲れさま」と言いたくなる。長い旅をして、最後に骨を折って漂流を終えたのか、と想像するのだ。お役御免といった印象。

 

2年ほど前、僕は16本骨がある傘をネットで買った。これが丈夫で、強い風でもびくともしない。この傘は無くしたくないと思うせいなのか、一度も忘れたことはない。ビニール傘にはないパートナー感がある。ビニール傘はしょせん刹那のつきあい。彼自身も自覚している、はず。