フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

グレン・グールドと5S

J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲(81年デジタル録音)

工場などの運営管理用語に5Sというのがある。整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つを指す。この5つの活動を職場で取り組むことが、仕事を円滑により生産的にするという考え方だ。それぞれは、整理(不要なものを捨てる)整頓(欲しいものを欲しいときに取り出せるようにする)清掃(常に掃除をする)清潔(上記3つのSを維持する)躾(決められたルールを守る習慣をつける)。

 

根っからだらしない僕にとって、この5Sは重宝する考え方だ。だらしないというのは、整理と整頓や、清掃と清潔の区別自体がついていないから。これらの区別をたまに意識するだけで、デスク周りや、デスクトップがきれいにできる。捨てて、取りやすくする。まずはこれだ。工場などでは容赦なくこの流れが続くのだろう。人間だと、躊躇したり迷ったりしてしまう。断捨離にも近い。

 

この5S、脳内にも応用できる気がしている。ただでさえ情報過多な時代だ。おそらく10年前に比べて、ジャンクも含めて膨大な量の情報の破片を脳内に日々ため込んでいるだろう。その整理と整頓は、本来睡眠で行われるはずだが、全然追い付かない。ヒーリングや瞑想がブームなのはそのせいだ。僕は音楽に頼るのが手っ取り早いと思う。そして僕にとって一番の特効薬はグレン・グールドだ。

 

言わずと知れた名ピアニスト。バッハの演奏が有名だ。なかでもゴルドベルグ変奏曲は名盤中の名盤だろう。彼のバッハ、そしてベートーベンを聴けば、一瞬にして脳内はクリアになる。あくまで僕の場合だけれども。その躍動するリズムには、一旦さまざまな情報や雑念、煩悩を忘れさえる力があるのだ。ああ、へったくれや理屈はもうやめよう。そのためにグールドを聴くのだから。一枚の5S、お試しあれ。