フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

タクシーストーリー⑤

Taxi 5, 1 DVD

バブル期の頃、タクシーによく乗ったが、つかまえるのも大変だった。終電をのがした25時ころ、以前の勤務先だと国道246沿いでタクシーを拾うことになる。が、全然つかまらない。若かったこともあり、近距離と判断され空車から無視された。

 

当時の僕の上司はいつも上着のポケットに大きな紙を折りたたんで入れていた。開くとそこにマジックで大きく「横浜」と書いてあるのだ。これを胸の前で開いて立つと、ほぼ間違いなく止められると豪語していた。ある日、風の強い日にその紙を開いたら飛んでいってしまってその日は止められなかったと言っていたのを覚えている。

 

酔っ払いが乗ってのトラブルも多かった。ある運転手に聞いたのは、行き先の間違い。綾瀬とだけ言われ寝込んだ客。方向からして足立区の綾瀬と考え、駅まで行って起こすと、「ここはどこだ? 俺は神奈川の綾瀬市に行きたいんだ」と大騒ぎになったのだとか。

 

また冬のある晩、目的地に着いたものの、ぐっすり寝込んで微動だにしない客がいた。無理やり起こすと殴られるかもしれず、そこで運転手が取った手は、、、。冷房である。冷房を最高に効かせて外で待つ。しばらくすると声を上げて客が目を覚ましたそうだ。都会ならではのタクシーストーリー、とりあえずここまでに。おあとがよろしいようで。