フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

九月になると人は振り返る

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朝日新聞のコラムで竹内まりやの回想録が掲載されていて、興味深い。彼女の声質が好きで昔からよく聴いていたが、コラムを読んで久しぶりにベスト盤を聞き直してみた。で、気づいたのだが、デビュー直後頃は「ひと夏の恋」をテーマにしたものが何曲かあって、デビュー当時の彼女に合うなあと思った。「グッドバイ・サマーブリーズ」「September」「象牙海岸」などなど。

 

コラムにも書かれていたが、高校生で一年間アメリカ留学をしていて、そこで典型的な失恋をしているらしい。その経験がのちのソングライティングに活きたとも書いている。夏という季節は日米違わず、人を成長させるってね。デビュー当時、竹内まりやはキャンパスライフが似合うシンガーだった。もちろん慶応卒ということもあったが、スラリとしたスタイルと知的なルックスもイメージに合っていた。

 

デビューから3枚目のシングル「September」は、ひと夏ソングとしては彼女の曲で一番だろう。作詞:松本隆、作曲:林哲司。やはり松本隆、詩がうまい。うますぎる。彼の特徴として、季節と色、の描き方が秀逸だ。この曲で言えば、曲頭の「辛子色のシャツ追いながら」でつかまれる。恋人と呼ばず色彩を追いかけるという視線移動。フィナーレは「そして九月はさよならの国」と。これってブラッドベリの「十月はたそがれの国」の影響ではと勝手に勘ぐってしまう。上手にファンタジー文学要素入れてるとしたら、知的フレーバーとしても効果大だ。

 

しかし令和のいま、ひと夏の恋を秋に清算する、というパターンはほぼ絶滅しているのはご承知の通り。これはあくまで典型的なラブファンタジーであり、ファンタジーだからこそ楽曲としても色あせないのだろう。温暖化、デジタル化、効率化は、ファンタジーのリアルな居場所をどんどん消し去っていく。その分、コンテンツが過剰にファンタスティックになっている気も。。。九月になったら、とりあえず夏休みを振り返ろう。体重も増え過ぎだしね~w。