何だか鯉が気になる。浮世絵の鯉が。理由は分からん。最近、ネットで広重の見事な鯉のぼりの浮世絵を見たせいかもしれない。鯉といっても観賞用の錦鯉とかではなく、普通に川にいる黒い鯉だ。鯉、浮世絵とググってみると出てくる出てくる。広重、北斎、豊国、国芳、、。いずれも勢いあってカッコいい。
調べてみると、江戸時代以前は魚の格付けでいうと、鯉は第一位だったのだそうだ。江戸時代に鯛に抜かれて二位となったが、淡水魚では首位を守ったとのこと。古来中国では鯉は黄河を上ってやがて竜になるめでたい魚だったようで、その考えが日本にも伝わったらしい。鯉のぼりは、その象徴なのだろう。
また、海から離れた京都でいち早く食べられる鮮魚が鯉だったので、人気が高かったとも言われている。身も大きく、食べ応えもあっただろう。僕は正直、鯉は食べ物としては好きではない。鯉こくは見た目美しいけれど、骨も多いし身も硬くちょっと苦手だ。食べるより眺めるほうで、俄然鯉が好きなのである。
鯉の浮世絵は、中国の伝えの影響か、滝登りであったり、武士と戦っていたりで大そう勇ましい。黒々していて強そうだ。やはり鮒やイワナじゃ絵にならないな。浮世絵を見ていると、元気をもらえて腹が座る気がする。やはり勝負の魚なのだ。浮世絵師のなかでも、広重が沢山、鯉の絵を描いていて色々楽しめる。レプリカが欲しい!