フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

この本の題名の長さが良いという話

大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件―なぜ美しい羽は狙われたのか

待ってた本の順番が来たと、図書館からメールが来た。いやあ、こんな本、自分しか読まんだろと思ってたが、甘くない。しばし時間がかかった。それでも待ったかいがあるのだ。こんなおもろい本、なかなか出合えない。まず、その題名を見てほしい。長い。長すぎる(笑)。

 

「大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件」、である。16文字だ。素晴らしすぎる。ブックデザイナーの名前が無いのだが、おそらくこの本をデザインするときに、この題名には涎が出ただろう。クリエイターであれば気持ちが分かる。長い題名、そして偶数。表表紙と背表紙の題名はいずれも美しいシンメトリックで構成されている。

 

そして全体は濃いブリティッシュグリーン。そこに静かに白い鳥の羽が透けて見える。もうこれだけで充分にそそられてしまうよ。イギリス、博物館、自然史、フライフィッシング、盗難、絶滅危惧種、マニア、違法取引、、、。ルポルタージュにはうってつけの素材が満載。

 

まるで推理小説かと思わせるが、正真正銘ノンフィクションだ。世界の果てには、僕らが目にしないアンダーグラウンドな犯罪が埋もれているのを知る。それは決して許されることではないのだが、読む分にはあまりにも魅惑的である。コロナ騒動の最中、人知れずこの本の世界に浸ることにしよう。電話には出ない。かかってこないけど。