フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

え、フュージョン?

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何すかそれ?が、ほとんどの人の反応だろう。もしくは、まだあるんだ、その言葉。。。かな、僕も自信がなくなってきた。何せ、聴いてるフュージョンはすべて20世紀のものであるからして(笑)。『1970年代半ばに発生した、ジャズを基調にロックやラテン音楽電子音楽、時にはクラシック音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンル」と、ウィキペディアにはある。

 

ミュージシャンで言うと、ウェザーリポート、スパイロジャイラ、スタッフなどだろうか。日本だとカシオペアやTスクエアなどが代表的かもしれない。F1のテーマ曲、と言えば分かりやすいかな。このフュージョンという分野、生まれた時から今日まで、ずっと不遇の身だ。「融合」というのが許せぬ人たちが各分野にいるから。根っからのジャズファンからすると「インチキジャズ」だし。ロックファンからすると「軟弱ロック」である、と。

 

個々のミュージシャンのテクニックは本家に勝るとも劣らぬ超絶テクなのに、なぜか冷やかな目で見られてしまう。これはプレイヤーのみならず、ファンに対してもそうなのだ。いや、ファンの方がより強く蔑まれるケースが多い。「フュージョンなんか聴いてるの? 軟弱だね」みたいなことを80年代はよく言われた。そんなもどきなんか聴かないで、本物聴けよ、みたいな言われ方だ。なので、ジャズ喫茶やクラシック喫茶、ロック喫茶はあってもフュージョン喫茶というのはほぼ無かった。

 

が、吉祥寺には一軒、奇跡的にフュージョン喫茶があったのだ。知る人ぞ知る「アウトバック」だ。無機質で都会的な店内(80年代基準)。テーブルはジュラルミンでスクエアなタイプ。座席は黒革で同様にスクエア。長身で細身のウエイターは白い長そでシャツに黒の皮パンツでアフロヘア。アイスコーヒーのグラスは細身のロングサイズ。みたいな、笑えるほどタイトで金属質な空間はもちろん会話禁止。ひたすら大音響でフュージョンを流していた。行き場のないフュージョンマニアがここに集まっていたが、いまはオシャレなバーに成り代わって移転してしまった。フュージョン喫茶は消滅したのだ。

 

それでも地下の奥底で僅かながら生き長らえているフュージョン。好きと言う人を聞かないから、僕は勝手に一人でイヤホンで楽しんでいる。できればいつの日か、あのアウトバックのように大きなJBLのスピーカーで一日聴きまくりたいのだが、そんな日は来んだろうなあ(涙)。