フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

カフェ学校

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18歳のときに東京で一人暮らしをはじめました。住まいは吉祥寺駅から徒歩5分の四畳半風呂無し共同トイレ付き木造アパート。なぜ吉祥寺かというと、ドラマ「俺たちの旅」の舞台だったから、は半分冗談。大学が明治だったので、明大前にもお茶の水にも便利というのが理由でした。

 

あまり前情報もなく住んだ吉祥寺でしたが、ある一点で最高の場所だと気づきました。カフェです。とにかく、そこかしこにカフェがあったのです。しかも、都内でも有数のJAZZ喫茶がうじゃうじゃ。当時、部屋に冷暖房などなかったので、必然的にカフェに入り浸ることに。そして当たり前のように、JAZZやフュージョン、ロックのシャワーを浴びることになりました。

 

当時、一番通ったのが「outback」と「A&F」でした。前者はフュージョン系、後者がモダンジャズ系。outbackは、ステンレスのテーブル。皮の黒パンをはいたアフロヘアのボーイが、小声で注文を取り、レコードも回していて都会的でクールな印象。発売になったばかりのハンコックのFUTURE SHOCKをかけられた時、店内が一瞬どよめいたのを覚えています。

 

A&Fは、超ストイックなザ・JAZZ喫茶。暗い店内、狭い革張りの椅子と小さなテーブル。奥に巨大なタンノイが鎮座していて、blue noteがよくかけられてました。店長がコルトレーンファンのようで、コルトレーンはここで全部聞きました。リクエストは恐れ多くてできない雰囲気。僕にとってJAZZ教習所のような店でした。

 

どちらのカフェも会話は禁止だったので、いつも一人で行きました。一人で本を読み、一人で音楽を聴き、一人で物思いにふける。いま思えば、この「一人の時間」が、大人への基礎を作ってくれた気がします。