フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

ゆとりがある? どこのドイツだ?

ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか (青春新書インテリジェンス)

ドイツは、旅行と仕事で一度ずつ行っただけだ。ベルリンとフランクフルト、ライプツィッヒしか知らないが、どの町も、都市機能と歴史と自然が美しく調和していて、気持ちのいい土地だった。ただし、食事のバラエティは想像どおり狭かった記憶がある。もちろんおいしいイタリアンやいけてるバーなど沢山あるのだが、肝心のドイツ料理はあまり美味しいとは思えなかったのだ。(ビール&ワインは除く)

 

この本は話題にもなったので読んだ人も多いかもしれない。人生の真の「豊か」さについて関心のある僕は、すぐに図書館に予約したが随分待たされ、やっと読めた。著者はベルリンに長く住む元NHK記者だ。在独日本人である彼が、両国の違いを日本人の立場で指摘していて、とても面白い。どちらにも良いところ悪いところがあり、その理由も指摘する。そして今後の日本へのヒントも。

 

指摘の多くは、サービスについてだ。一言でいえば、日本はサービス天国、ドイツはサービス砂漠と(笑)。店員の数、マナー、営業時間、包装などなど、細かい点でいかに両国のサービスが真逆であるかを教えてくれる。それがおかしくて、読みながら笑ってしまう。ただ、比較をしたうえで、日本のサービス過剰社会は転換期に来ているとの意見が出てくる。

 

サービス過剰社会はハイコスト社会。そして、寄りかかり社会でもある。自分でやらない、自分で考えない、お金で解決する社会。それが仕事を生むのだけれど、と同時にブラックな忙しさも生む。便利だけれど、失うものも多いわけだ。おもてなし、は素敵だけれど、考えなし、になっちゃまずい。自分で考えて、選択すること。当たり前のことをドイツが教えてくれる。ヒントにしよう。そうしよう。