フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

after you

After You

トランプ大統領登場で世界中が口火を切ったように、国家 firstと言い出した気がする。経済成長の限界や、異常気象、エネルギーやデジタル勢力の偏り、などなど様々な要因があるのだろうが、ここまでになるとは想像できなかった。そしていま、一番気になるのは、国家 firstではなく、僕ら一人一人に「me first」の意識が生まれることだ。

 

よく国家元首は「我々は損をしている」と声を荒げる。何度も聞くうちに我々国民も「そうだ、損はご免だ」と呼応してしまう。そして「遠慮していると更につけこまれる」「つけこまれる前に大きく叩け」「方法は問わない。生き残るためだ」といった意識に突き進む人も出てくる。

 

英語で「after you」という言葉を習ったことがある。「お先にどうぞ」という意味だったと思う。お店の入り口などで、先にドアを開けて次の人を先に通すマナーとしての意味もあるらしい。僕は紳士でもなんでもないが、この言葉は好きだ。他者へのやさしさと、ゆとりを感じるから。毎朝の通勤中、心の中で「after youだもんね」とよくつぶやく。

 

悪意や企みに対して、after youする必要はもちろんない。かと言って、あらゆる局面でme firstで臨むとなると、そこには友情や親交は成立しえないだろう。交渉に「情」など無用、と言い返されそうだが。勝ち負けだけで生きていく、と決めた人なら仕方ないのだろう。僕はそれは選ばない。勝ち負け、よりも大事なものがあると信じるから。