フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

ズレよう

世間とズレちゃうのはしょうがない

大好きな二人の対談本。面白くないはずはない。まったく違う分野だけれど、どこか心が通じ合う二人。そのキーワードが「ズレ」だ。世間、常識、王道、正解などなど。こんなにズレてて大丈夫なのだろうかと迷いながら生きてきた伊集院氏が養老先生に問いかける。大丈夫、死んだらみんなズレるからと先生は笑う。

 

奇しくも「ズレ」や「わきまえ」のことを自分なりに考えていた今日この頃であったので実にタイムリーな本であった。勉強のゴールが見えなくなって高校を中退。落語家になった伊集院氏。研究論文があまりにつまらないことが我慢できず大学を止めてしまった養老氏。その後、伊集院氏はラジオへ。養老氏は昆虫へと向かう。

 

ラジオはデジタルとは真逆のアナログ。落語に至っては究極のアナログ。しかし養老氏は言う。シーラカンスも人間も、始まりは小さな細胞であるが、いま現在どちらも生存している。どちらも生存しているから面白いのだと。進化が速い方が決して偉いわけではないのだと。人間側の方が正解と思うのは生きてる間だけだと。

 

大震災やコロナ禍で、少しだけ価値観の再確認ができたかもと思う。人間が整理し、排除し、整頓した秩序の世界のなかにとどまろうと四苦八苦すると破綻するのだ。整理できないところ、排除できないものに、生命の面白味を見つけられたら生きることも悪くないかも。もともとズレてる自分だが、もっとズレて楽しもうと思うた。