フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

クマグスの森


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ずっと訪れたかった南方熊楠記念館を見学することができました。明光風靡な南紀白浜の小さな岬の山の上にあるモダンなつくりの記念館には、クマグスの様々な遺品や収集品が集められていて、本で見たものそのものに触れることができとても感動しました。

 

クマグス明治19年から33年までの14年間を、アメリカそしてイギリスで過ごしています。自身が関心を持つ植物を採集するために、サンフランシスコからミシガン、フロリダ、キューバ、ロンドンと移動。文明開化からまだ日の浅い時期にこれほどの冒険をした日本男児はいなかったのではないでしょうか。

 

その頃の手紙や写真、ノートを見ているだけでワクワクしてきます。クマグスにとって、国がどこであろうが、人種がどれであろうが関係ないのです。すべてが同じ自然の一部である、と分かっているからです。ロンドンと、紀州に差はありません。どこにいようが、地球なのだという認識です。

 

彼が地元で化石を発見した人に化石をねだる手紙がユーモラスで素敵でした。もし化石をわけてくれるなら、代わりに鶏肉や魚を提供したい。ただしいまは金がなく、提供がいつできるかはわからない、といった調子です。欲しくて仕方ない思いが伝わってきますよね。東京に戻ったら、久しぶりにクマグスの本を読み返そうと思いました。