午前中、近所の公園まで散歩するのが日課である。時間や往復の行き方はだいたい決めているので、しだいによく見かける人が増えてくる。話しかけることもないので、勝手にニックネームをつけて観察したりする。公園では、ほぼ毎日ベンチで見かけるのがミスターレッドだ。いつも真っ赤なスニーカーとザックというスタイル。ほぼ必ず見かけるが、一体何をしているのかは不明の40代。ちょっと寂しい。
晴天の日に公園の噴水周りのベンチで見かけるのがヘミングウェイ。ほぼ決まったベンチで上半身裸で日光浴している。銀色の髪を後ろで縛っていて、小さくラジオをかけている。とにかく太陽が好きなようで、曇りの日には出てこない。65歳くらいかな。とても公務員や銀行員には見えず、もともとはファッション関係の人かもしれない。見ていると不思議とこちらもご機嫌になれる。
最近のお気に入りがハタ坊だ。もちろん僕が勝手に名付けている。年齢は20歳前後の男の子。公園からの帰り道にあるファミマでよく見かける。朝の8：45ころ、ファミマの脇にスクーターを停めて寄りかかって煙草を吸っている。最初は客かと思っていたが、ある時からファミマのバイトだと知った。9時からのシフトのようで、その前に店の横で時間つぶしをしているのである。
髪が中途半端に長く。毛先が日によって青かったり赤かったりする。顔がハタ坊に似ていて小柄。待ってる間にスマホを見ながらいつもニヤニヤしている。何を見ているのかは分からないが、いつもニヤニヤしているのでこちらもニヤニヤしてしまう。そして美味そうに煙草を吸う。煙草は嫌いだがハタ坊のは許せる。カワイイのだ。シフト15分前に来てるところもね。明日もハタ坊に会えるかな。楽しみだ。
