フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

冴え渡る筆さばき

渡辺省亭-欧米を魅了した花鳥画-

昔はあまり関心の無かった日本美術に最近ハマっている。それも明治以降の画家が気になって仕方がない。以前ブログにも書いた川端龍子、最近だと渡辺省亭など。いずれも身近な動植物を描いているが、力強さに魅了される。古くからの日本画の技術に、西洋画の技術を織り交ぜることでモダンな仕上がりになっているところも魅力的だ。フォルムに勢いがあって、簡単に言えばカッコイイのである。

 

コロナ禍で美術館や展覧会には行けなくなってしまった。実は僕、もともと日本の美術館、特に展覧会などは苦手である。何せ人出がすごい。そして絵の前に踏ん張る人たちがけっこういて、落ち着いて見ることができないからだ。そこで代わりにテレビの美術番組を見るようになった。これが意外と良い。視界を邪魔する人もいない。作品のディテールまで拡大で見れる。言うこと無しである。

 

特に気に入っているのがBS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」(火曜20時)だ。司会は山田五郎おぎやはぎ高橋マリ子山田五郎の博識ぶりには驚かされるが、嫌みじゃないところがいい。おぎやはぎは適度に力が抜けていてこれもよろしい。マリ子ちゃんは僕好みの洋風顔が素敵。ということで、毎週見ている。先週は待望の渡辺省亭であった。解説も素晴らしく、たっぷり作品を堪能でき大満足だった。

 

省亭が鳥の絵を描かせたら日本一、というのは見ていて納得した。パリ万博で画家ドガのためにその場で書いた絵など、驚きの筆さばきだ。番組での説明で、当時の画家は書の練習から絵の道に入ったとあった。ペンや鉛筆ではない、筆の動きをマスターしているから、絵の線も流麗なのだろう。洋画とは違う道なのだ。ううむ、カッコ良すぎるな。刀さばきのような、筆さばき。もっともっと見てみたい。