フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

かわを手に入れた

か わ (こどものとも絵本)

毎年、娘の誕生月に古い友人が本を送ってきてくれる。文学部出のせいか、本のチョイスのセンスがいい。むしろ娘より僕の方が楽しみにしているほどだ。今年も数冊届いたが、一番うれしかったのは「かわ」。尊敬する加古里子先生の名作だ。「だるまちゃん」シリーズや「からすのパン屋さん」の作者でもある。

 

だるまちゃん、からす、とこちゃん、などは娘が幼少の頃に買い求めていまだに手もとにあるが、「かわ」は無かった。いつか手に入れようとは思っていたのだ。が、この「いつか」というのがマズイ。ずっとずっと「いつか」のままになりがちだ。友人からの贈り物は、その「いつか」を現実にしてくれた。ありがとう。

 

「かわ」は川の成り立ちを源流から海まで絵巻物にした画期的な絵本である。絵本というと子どもっぽく聞こえるかもしれないが、そうではない。実に科学的、現実的に川の行程を描いているハイレベルな内容だ。絵巻物を読み進むうちに、僕は小さな旅をしている感覚になってしまった。最後の最後、感動だ。そこは秘密。

 

この絵巻物、表と裏と両面同じ絵が描かれている。が、違いがある。それも秘密にしておこう。描かれたのは1962年。偶然だが僕が生まれた年である。何だか自分の誕生祝いにもらったような気分だ。大事にしよう。そして毎年、誕生日に開いて旅をすることにしよう。得意の妄想力で、カヤックで漕ぎだすのだ。