フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

ヘンテコは伝わる

行動経済学まんが ヘンテコノミクス

子どもの頃、親父が読んでいた単行本を隠し読みしていたことがある。今でも覚えているのは五木寛之だとか有吉佐和子といった当時の流行作家の本だ。しっかり理解していたとは思えず、時より出てくる性的な場面に一人ドキドキしていたことを思い出す。まあいつの時代もアホなガキのやりそうなことだ。

 

先日、自分のデスクのある部屋に入ると、娘が座って本を読んでいた。僕を見ると慌てて本を戻そうとする。たぶん僕の蔵書を読んでいたのだろう。「読んでいいんだよ」と言って、手に戻した。その本が、写真の「ヘンテコノミクス」だ。元電通のクリエイター、現大学教授の佐藤雅彦氏の本だ。

 

いま経済学でホットな分野でもある行動経済学を、マンガを使って解説した良書である。このマンガを描き、全体のアートディレクションをしているのが現在も電通のCDでありADでもある高橋秀明氏だ。彼は一緒に仕事をした仲間で仲良しでもある。この本も彼から贈呈されていた。何度も読み返す面白さがある本だ。

 

人間の行動がいかに経済原理的にヘンテコであるか。不利益と分かりながら、多くの人が犯す経済的な過ちなど、マンガで描かれるドラマは悲喜こもごもで味わい深い。AIならやらないことを、人間はやってしまう。だからこそ面白い、とも言える。小学生の娘が楽しんでいたとしたら、この本の凄さを再認識できよう。