89歳の母も、この秋からとうとう車椅子が無ければ遠出はできなくなった。まあ、これまでよく頑張ったと思う。長年、シルバーマンションで一人暮らしを満喫してきたが、もう他人の助けを借りてもいい歳だ。まだ本人はできる限り自分で頑張りたい気持ちいっぱいだが、如何せん身体が言うことを聞かないのだ。
と言うわけで、今日は母の車椅子外出デビューで、病院検査につきあうことにした。母も僕も初めての車椅子行脚である。行き先は大学病院なので、できるだけ早く受付を済ませるため早目に母宅に到着した。病院は一つ隣の駅にあるのだが、朝のラッシュで電車利用は避けたい。幸い、その間をバスが通っていたので利用することに。
電車ならほんの5分くらいで着く距離だが、バスだと30分かかる。でもいいのだ。ラッシュに乗り込むより平和だろう。事前にバス会社に電話したら、まったく問題なく、一番最初に乗せてくれるとのこと。時間前にバス停に行くと、運転手さんが笑顔で迎えてくれて、優先して乗車を手伝ってくれた。ありがたや。
無事に病院に着き、何とか検査を終えたのは昼過ぎだった。帰りは電車にしてみた。もうラッシュは無いだろう。改札で車掌さんに車椅子のことを告げると、あっという間に連携して、ホームの位置決めから乗車補助までやってくれた。日本の交通産業の弱者へのサービス、すごいなあ。これなら安心して母を連れ出せそうだ。