フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

クルマと人の関係づくり

ROUNDABOUT

大学院の講義で、シェアド・スペースについて学んだ。欧州で広まりつつある、道路デザインの考え方だ。従来の道路は、標識やガードレールなど、トップダウン式の指示だらけで、景観的にも美しくないと。「減速」とか「停止」とか表示しなくても、自然にそうしたくなる仕組みを道路に取り入れることで、押し付けではなく、自主的な安全走行ができ、且つ景観も美しくなるという考え方だ。

 

実はこれ、学ぶ以前から、とても気になっていたテーマであった。クルマのCM制作の仕事が多かったせいで、海外の道路やクルマをよく観察していたのだが、日本との違いに気づくことが多かった。撮影地は、アメリカ、オーストラリア、イタリアであったが、いずれも市街地ではスピードがゆっくりなのだ。そして、歩行者が見えると、ほぼ100%停止してくれる。東京では、止まらないことの方が多いと感じる。

 

そして、市街地でよく見かけたのが、ラウンドアバウトバンプだ。ラウンドアバウトは、写真のCDジャケット写真がそれ。分かりにくいと思うが、上空から撮影した交差点である。中央に円形の土地があり、そこに複数方向から入ってくるクルマが周囲を回りながら目的方向に舵を取る。つまり、信号や標識の指示ではなく、自分の意志でスムーズに進むのである。

 

バンプは地面から凸上に飛び出した、減速帯だ。これがあると、いやが上でもスピードは落とさざるを得ない。海外の市街地、住宅地ではよく見かけた。地元のドライバーはバンプがどこにあるか分かっているので、あらかじめゆっくりと走っていた。バンプがあれば、地面に「減速」と書いたり、「スピード落とせ」と書いた看板は要らない。なぜか日本ではこれらは広まらない。人よりクルマ、の方が偉い国なのかなあ。