フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

言い訳を聞こう

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか (集英社新書)

ずっと待ってた本だった。やっと昨日、図書館で受け取ったのだが、読み出したら止まらない。お笑い好きにはもちろん、アイデアづくりを生業とする人全てにおすすめしたい一冊だ。東京漫才の雄、ナイツの塙敬之がM1を中心に、2000年以降のお笑い界を冷静な目で語っているインタビューをまとめたものだ。

 

塙はご存じ歌うピン芸人はなわの弟だ。ヒットしたCD「佐賀県」など、いち早くメジャーとなった兄・はなわに比べ、弟の塙は苦労人だ。大学卒業後、内海圭子に師事し漫才師としての道に入った。M1には、2001年から2008年まで参戦。この本では、その8年間の紆余曲折が克明に描かれている。まさに谷あり、谷あり、谷あり(笑)。

 

ナイツ自体の話しも面白いのだが、同時期に活躍する様々な芸人たちの分析が秀逸だ。どこが特徴で、どこが武器で、どこが欠点か。詳しくは読んでのお楽しみだが、僕が楽しんだのは中川家ますだおかだ、はらいちについての解説。プロから見たプロ評なので、読みながら膝を叩きまくりたくなる軽妙さだ。中川家、すぐ見たい!

 

本の題である「言い訳」とは、東京漫才が関西漫才に勝てないことについての「言い訳」である。この点も、きわめて謙虚に、そして決して卑屈にならずに解説している。やはり言葉のリズム、スピード、関西弁パワー、ボケ文化、などなど、それらすべてが漫才に有利であると。そして、それでも東京の挑戦はつづくと。。。ヤホーで調べると出てくるはずだ。