運動不足と気分転換を兼ねて、よく散歩をするようになった。近所で変化をつけてコースを考えるのも楽しみだ。いまのところ一番気に行っているのが緑道を歩くコース。当たり前かな(笑)。でもステイホームになるまでは、ほとんど歩いていなかった。うちの近所の緑道は、蛇崩川緑道と言って、中目黒から桜新町あたりまで続いているロングコースだ。名前通り、蛇のようにくねくねとしている。
元は蛇崩川という川で、水源は現在の馬事公苑あたりであるらしい。この川を暗渠として、緑道にしたものである。これは良い遺産だなと思う。ただでさえ緑の少ない東京にグリーンベルトを残してくれてありがとう。車両も入り込めない自然道として貴重な存在だ。元が川なので、切れ目ごとに橋の名前が残っているのもおもしろい。我が家から一番近い橋は明治橋。その昔、明治薬科大学があったところだ。
緑道だけに樹木や花々が場所ごとに変化があって気持ちいいい。桜のシーズンは桜のトンネルあり。いまはアジサイが見事だ。なかでも僕が好きな場所は、広葉樹がつづく道。クヌギや͡コナラなど、いわゆる木の実のなる雑木林系の樹木たちが多いところだ。カブトムシやクワガタといった樹液を求めて集まるところでもある。さすがに虫たちは期待できないかもしれないが、雑木林の空気は濃い気がするのだ。
樹木のパワーが強い気がして、そばを通るだけで元気をもらえる。彼らのピークは真夏だ。蝉たちがガンガン鳴き出して、生命力を見せつける。木の葉の緑もピカピカに輝いて、まぶしいかぎり。いまはまだ、その色も抑えめで、青々としているけれど柔らかな印象。その分、吐き出す酸素も強すぎず清らかで爽やかだ。梅雨入りまで残り2，3日らしい。今のうちに出始めのピュアな雑木林力を吸っておこう。
