昨日ブログに書いたプチ・リトリートするために、久しぶりの画集を眺めることにした。ちょっと前にブランクーシのことを書いたが、今日はアレクサンダー・カルダーにしよう。アメリカ生まれの彫刻家。かわいらしいモビールで有名で、MOMAやグッゲンハイムで見ることができる。が、いまは画集で我慢だな。
彼のモビールはどこかで一度は見たことがあると思う。カラフルで不可思議でかわいらしい。動く彫刻そのものだ。色遣いやフォルムはミロに似ている気がする。モンドリアンに影響を受けて、色彩を立体的に動かす発想を見出したのだとか。元々工業大学の出身だから、モビールの絶妙なバランスを生み出せたのだろう。
カルダーの作品を見ていると、敬愛するフランスの映画監督でありアクターでもあるジャック・タチを思い出す。タチの描く世界、工場だったりパレードだったりショーだったりが、カルダーの色やフォルムと重なるのだ。躍動的でいたずらっぽくカラフル。どこかで影響を受け合ったのではないのかな。
カルダーのモビールは曲線の世界であり、変容の世界でもある。しかし、全体は絶妙なバランスをとって安定している。混沌のようで、混沌ではない。各々の色彩やフォルムが、各々の役割りを果たして全体を彩るのだ。まさにダイバーシティそのもの。変、が集まって調和をなす。そんなユートピアは、僕が望む理想郷でもあるなあ。