日々よく眠れる。昔から眠るのだけは自信があるのだが、いつにも増して、この季節はよく眠れる。春眠暁を覚えず、なのだ。古い言葉だから、太古の昔からこの季節になると誰でもよく眠れるのであろう。気温の上昇と、夜の短さのせいなのだろうか。朝寝坊も以前より積極的にしたくなる。二度寝、昼寝、うたたね、OKである。
厚い布団が要らなくなり、かと言って毛布が無いとまだ寒い。軽い毛布にソフトにくるまれるのが心地良すぎるのだな。そこにきて、連日のコロナ報道のせいで日中は良からなぬ不安情報ばかり接しているから、眠りの世界に逃避したい願望が高まっているのかもとも思う。とりあえず寝とけと。寝れば日が昇ると。
外の空気もすっかりぬるくなってきて、花々も一斉に開いてきた。桜はもちろん美しいのだが、僕は写真の花大根の花が好きだ。薄紫の花が群れで咲くから、色彩の塊が飛び込んできてたまらんのだ。元は中国で、食用と油の調達のために江戸時代に増やされたのだとか。いまでは雑草だ。空き地や線路端によく咲いていて、誰にも相手にされていない。
この花がまた不思議と眠りを誘うのだ(笑)。昔、少しだけヨガを習ったことがあり、そのとき心に花を咲かせる術を習った。想像のなかで花のつぼみをイメージして、芽吹きから、ほころび、開花までを描いて身体を動かす。最終的に自分の身体から、その花の香りがあふれ出る、というイメージトレーニングだ。花大根を見ると、そのイメージを思い出して、とろ～んとしてしまうのだ。夢遊病かよ(笑)。危ない危ない。
